高齢者による万引き増加、高齢者の「孤独」が背景に

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高齢者の万引きが増えている

近年、高齢者による万引きが増加していると言われています。
中でも、女性高齢者による万引きが深刻です。

東京都で行われた「万引きに関する有識者研究会」の報告によれば、平成22年と平成28年の万引き認知件数の比較では、少年による万引きの割合が約3割から約2割に減少。
一方で、高齢者による万引きの割合は約2割から約3割に増加しています。

万引きの年代別推移

また、法務省の統計による平成6年と平成26年との万引き検挙人員の比較では、20年間で高齢者の割合は約3倍に増えており、 中でも女性高齢者の割合は平成6年には8.9%でしたが、平成26年には37.8%まで割合が増えていることが分かります。

高齢者による万引きの主な要因

何故この様に高齢者の万引きが増えているのでしょうか。
「万引きに関する有識者研究会」の報告書には、高齢者による万引きの主な要因として以下の要因が挙げられています。

  • 本人の意識における生活苦
  • 体力・認知機能の低下
  • ストレス耐性の弱さと万引きのリスク認識の低さ
  • 社会関係性の希薄化
  • 高齢者の万引き防止に向けた支援の弱さ

本人の意識における生活苦

高齢被疑者は、一般高齢者と比べ世帯収入はやや低いものの、客観的に生活困窮レベルにある者は少ない。 一方で、主観においては、自らの生活を苦しい、他者と比べて生活レベルが低いと実感している者が多い。

(万引きに関する有識者研究会 報告書より引用)

体力・認知機能の低下

高齢被疑者は、同年代の他者と比べて体力の衰えを実感している割合や、認知機能の低下が疑われる割合が一般高齢者と比べて多い。認知機能については、万引きと認知機能低下との共通の危険因子として、低学歴、経済的低さ、ソーシャルサポートの低さが把握された。ただし、両者に統計的に有意な関係は見出されなかった。

(万引きに関する有識者研究会 報告書より引用)

ストレス耐性の弱さと万引きのリスク認識の低さ

  • 高齢被疑者の殆どは、一般高齢者と同程度の規範意識を有している一方で、高齢被疑者は自己効力感や自己統制力が低く、ストレスへの耐性が弱い。
  • 高齢被疑者は捕まることへのリスク認識が低く、万引きがもたらす結果を甘く捉えている傾向にある。

(万引きに関する有識者研究会 報告書より引用)

社会関係性の希薄化

高齢被疑者は、配偶者無し(未婚、離婚、死別等)が約6割、独居が5割弱で、家族との連絡頻度、家族等による経済的、情緒的サポート等が弱い。

(万引きに関する有識者研究会 報告書より引用)

高齢者の万引き防止に向けた支援の弱さ

高齢万引き被疑者の多くは微罪処分、不起訴等で釈放されており、刑事手続きからの早期解放は社会復帰を容易にする反面、被疑者に対するサポートという面が弱い。万引きで捕まった際の初期の対応やその後の支援のあり方が重要。

(万引きに関する有識者研究会 報告書より引用)

背景にある「孤立」や「孤独」

背景にある「孤立」や「孤独」

着目すべきは「社会関係性の希薄化」、つまり高齢者の「孤立」や「孤独」です。
「万引きに関する有識者研究会」によれば、65歳以上の万引き被疑者では、「既婚」が40.7%、「独身(離婚)」が16.7%、「独身(死別)」が31.5%と、離婚・死別による独身者の割合が高いとの報告がされています。
万引き検挙人員の増加が顕著な女性高齢者では特にこの傾向があるようです。

「万引きに関する有識者研究会」の報告書では、次のように述べられています。

警視庁の調査によると、65歳以上の高齢万引き被疑者のうち、「独居」は56.4%、交友関係「いない」が46.5%である。家族や友人だけでなく、自らをサポートをしてくれる人が身近にいないことも考えられ、社会関係性の欠如が孤独や不満、ストレス等に繋がり、問題行動へと発展するケースもあるのではないかと思われる。
生活背景に「孤立」や「孤独」があり、社会に対する不満やあきらめ感が媒介して犯罪に及んでいると推測される。自分の現状への不全感や将来への不安感、自分を守ってくれない社会に対する不信感が犯行の背景にあると思われる。(矢島 正見)

(万引きに関する有識者研究会 報告書より引用)

この様に、万引き問題の要因を探っていくと、高齢者の抱える孤立問題が浮き彫りになってきます。
一人暮らしの高齢者が増加傾向にある中、SNS等のインターネットコミュニティーやスポーツクラブ等の地域コミュニティーが、孤立化をせき止める役割を担っていますが、 それでもそれらのコミュニティーを外れてしまう人がいるのが実情です。
一度社会から孤立してしまった高齢者が、社会との繋がりを取り戻すことは困難で、地域・社会レベルでの対応が求められます。

万引き防止に向けて

研究会の座長で中央大学文学部教授の矢島氏によれば、最も短期間で効果が出来る万引き対策は「声かけ」であるとされています。

独身(未婚、離別、死別等)が多く、断絶・希薄化した人間関係にあることがあげられ、個人で自活している自律的な高齢者像というより、個人で自活せざるを得ない孤独な高齢者像が析出されている。
以上から、対策・政策への示唆を考えると、最も短期間で効果が期待できる対策は「声かけ」である。(矢島 正見)

万引きの対策と言えば、防犯カメラの設置や警備員の配置などの対策が普及していますが、スリル感を味合わせることで却って万引き行為の助長に繋がってしまう場合があります。
前述の通り、高齢者の万引きには、高齢者の孤立化が背景にあるため、店舗従業員による声かけをすることで、社会との交流関係の希薄化の軽減にも繋がるはずです。
また、声かけであれば店舗のイメージを損ねることもない為、店舗にとってもリスクが少なく有効な万引き防止策となります。

顔認証システムの有用性

顔認証万引き防止システムLYKAON

万引きの防止策として、「声かけ」が有効とわかりました。
店舗従業員による声かけを行うには、「顔認証万引き防止システムLYKAON」の活用が有効です。
LYKAONは、顔認証の機能を活用することで要注意人物の来店を瞬時に察知し、アラート通知するというものです。

「声かけ」が万引き対策に有効と分かっても、来店者数の多い店舗で全ての来店者に対して声かけを行うことは事実上困難ですが、 顔認証を用いることで注意を払うべき人物を限定することが可能であるため、万引き発生前の段階で効果的な声かけを行うことが可能になります。
LYKAONは、顔認証を活用した声かけによる万引きの「防止」を提案します。

参考

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  • LYKAON OFFICIAL WEBSITE
  • 徘徊防止システム LYKAON
  • 顔認識来店者分析マーケティングシステム LYKAON
  • 入退室管理認証システム LYKAON